最近のマーケットではトルコリラ関係の急変動はあれど、どちらかというと値動きの激しさでいうと仮想通貨の方が注目されていると思います。仮想通貨と一国の通貨を現時点で比べるのは多少無理があるとはいえ、それでもいままでにはかなり激しい値動きもありました。普通にFXをやっていると仮想通貨なみの急変動リスクがあることを忘れてしまいがちですので、備忘録としてここに記録しておきます。※チャートはFxProのMT4データを使用し、価格はチャートから読み取ったデータとなっていますので参考程度に。
リーマンショック
2008年9月5日にリーマンブラザーズが破綻し、それに起因する金融危機が起こりました。
2008年9月5日にリーマン破綻報道がされていますが、このときは一投資銀行の破綻ということでそこまで急落しているわけではないのですね。
目立った急落は2018年10月21日からの連続陰線
USD/JPYの日足ローソク足4本で1120pipsの急落
こちらはGBP/JPYで日足ローソク4本で3700pipsの急落
それまでは円キャリートレードが全盛期で円を売って資源国通貨を買うトレードが盛んでした。ちょうどFXブームの中でそういったトレードは一般家庭の主婦にまで広がっていたほどです。そういったトレードにとどめをさしたのは事実ですが、その後も株安、信用不安など長い冬の時代の到来でもありました。
実は当時、私もアルバイトで貯めた10万円がFXで40万円くらいになっていました。そのお金がどうなったかは…ご想像にお任せします…。
スイス中銀為替介入開始
2011年9月6日にスイス中銀はユーロに対して1.2というレートを維持するための為替介入を行うと発表し、EUR/CHFは急騰しました。
急騰した部分に着目すると日足ローソク足1本で1000pips
あとで紹介する為替介入中止と比べて周辺各国との調整などは行われていた印象があります。
スイス中銀為替介入中止
2015年1月15日にスイス中銀はユーロに対して続けていた為替介入を中止すると発表を行い、EUR/CHFは急落しました。
急落した部分に着目すると日足ローソク足1本で4400pips ※ある証券会社では3800pipsとありました。
この発表で恐ろしいのが
数日前 中銀「為替介入は維持します」
↓
当日 中銀「為替介入やっぱやめる」
この流れです。周辺各国からもスイス中銀は非難されることに。
スイス中銀が公表していた1.2の防衛ラインを背にした逆張りのシステムトレードやトレードも成り立っていたのですが、いきなり梯子を外された形になり大きな損失を出す方もいました。さらに顧客の損失をカバーしたため、海外のMT4取り扱い業者の中では老舗だったAlpariUKが倒産することに。また1週間程度、スイスに関係する通貨ペアの取引ができない状態になりました。
英国EU離脱懸念
2016年10月7日にイギリスがユーロから離脱するということでボンドは売られることに。
急落した部分に着目すると日足ローソク足1本で2650pips
まとめ
こういったチャートを眺めていると「損切りの99%は無駄に終わるが残りの1%が投資家を守る」という誰かの言葉を思い出します。今後も天災、戦争、テロだっていつどこで、どんな規模で起こるかわかりません。また急変動に巻き込まれて損失にならなくてもそれまでのようにトレードできなくなり、損失を計上することも多くあります。ボラティリティが急激に高くなると、規律正しいトレーダーは結果的には無用なストップが増えることがあるからです。かといって大雑把にトレードしていると必ずいつか痛い目にあいます。せっかく大相場で儲けたのにその後、大損する人をたくさん見てきました。
こういった相場こそ、トレーダーは試されているのだと思います。なんとか生き残りましょう。