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ローソク足のパターンとして「はらみ足」というものがあります。相場の反転、天井や底を示唆するローソク足のパターンとされていますが、実際に有効性があるのか気になった方もいるのではないでしょうか?今回は独自の解釈も加えつつも自動売買ルールに落とし込み、果たして勝つことができるのか?検証してみました。

はらみ足とは

「はらみ足」とは相場の反転、天井と底を示唆するローソク足のパターンといわれています。

 

はらみ足の定義と検出

自動売買で検出させるためには厳密に定義する必要があるのですが、一部独自の解釈をしています。

窓について

FXでは週をまたぐ時くらいしか窓(1本前のローソク足終値と始値に差があること)があくことは稀です。そのため、窓を条件にはしていません。

2本のローソク足の関係性

一般的には前のローソク足の高値安値の範囲に今のローソク足が確定すれば「はらみ足」となりますが、ここでは少し厳しくして始値終値の範囲に確定することも加えています。

 
 

参考までに「はらみ足」を定義するコードを載せておきます。

 

買いの場合
Open[2]>Close[2]//2本前のローソク足が陰線
&& High[2]>=High[1]//はらみ足の定義
&& Low[2] <= Low[1]
&& Open[2]>=Close[1]
&& Close[2]<=Open[1]
&&High[2]<High[0]//高値ブレイクでエントリー

 

売りの場合
Open[2]<Close[2]//2本前のローソク足が陽線
&&High[2]>=High[1]//はらみ足の定義
&& Low[2] <= Low[1]
&& Open[2]<=Close[1]
&& Close[2]>=Open[1]
&& Low[2]>Low[0]//安値ブレイクでエントリー

 

売買条件

「はらみ足」を検出できたとしてもどこでエントリーするかは結果に大きく影響してきます。条件は以下としています。

エントリー

買いと売りのそれぞれで「はらみ足」が確定した次の足で2本前のローソク足の高値、安値ブレイクでエントリーとしています。

 

手仕舞い

  • 利益確定50pips
  • 損切15pips
  • ※1時間足、4時間足共通1時間足、4時間足で共通で固定pipsとすることに対しては様々な意見があると思いますが、シンプルにこう決めました。

    200MAによるフィルタ

  • 200MAの上に価格があるときに買い
  • 200MAの下に価格があるときに売り
  • そもそも天井、底を示すローソク足なのでこのフィルタを導入することは有効性をなくしてしまう懸念もありますが…

    検証結果

    バックテスト期間は2017/01/01~2017/12/31
    使用データはFxPro MT4
    通貨ペアはUSDJPY

    4時間足

  • 損益:+148Pips
  • トレード回数:33
  • 勝ちトレード(勝率):11(33.33%)
  • 一応プラスですね。ただトレード回数33回は少ないと思います。「はらみ足」は出現してもトレードルールに当てはまるかどうかという部分が関係していると思いますが、それにしても少ない印象です。

    4時間足(200MAフィルタ有)

  • 損益:+126Pips
  • トレード回数:16
  • 勝ちトレード(勝率):6(37.50%)
  • 200MAを追加するとグラフ形状はよくなりました。さらにトレード回数は少なくなりましたが…

    1時間足

  • 損益:+112Pips
  • トレード回数:152
  • 勝ちトレード(勝率):38(25.00%)
  • トレード回数が多い割にしょぼいですが一応はプラスです。

    1時間足(200MAフィルタ有)

  • 損益:-310Pips
  • トレード回数:80
  • 勝ちトレード(勝率):14(17.50%)
  • 4時間足では200MAを追加して成績は向上したのですが、1時間足では思いっきりマイナスになりました。
     
     

    総評として数字だけ見ると「有効性あり」とはいえなくても可能性を感じる結果だと感じました。まだまだ取引ルールもシンプルですからね。
     
     

    トレード内容

    実際にどういった場面でトレードしているか確認してみました。赤枠が確定した「はらみ足」で赤水平線がエントリーレベルです。


    当初定義したルール通りにトレードはできているようです。上図では相場の転換点でのエントリーができているのですが、今回のトレードルールではストップにかかっています。

     
     


    利益になったチャートなのですが、相場の転換点というより一度トレンドが緩んだのタイミング(押し目買い、戻り売りのイメージ)での勝利が多い印象でした。

     
     


    今回の検出方法では上図のようなちょっと「はらみ足」といえないような組み合わせもありました。ローソク足全体の長さ、ローソク足実体の長さなどを追加で検出条件に加えるなど方法はあると思います。

     
     

    まとめ

  • 現状ルールではトレード回数が少なめ。すぐに反転するような「はらみ足」は少ない。
  • さらに成績向上の可能性を秘めている。(ローソク足の形状、出現する位置などの工夫)
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    「はらみ足」については一部独自の定義を行っております。これが「はらみ足」の一面であることご理解していただき、トレードの参考になれば幸いです!